2019/02/03 13:35
エルメスのコインケース【ル・ヴァンキャトル】は一枚のパーツを折り紙のように折りコインケースとしての機能をもたせつつ、デザインも洗練されています。【ル・ヴァンキャトル】をリスペクトしている私が試行錯誤を重ね製作したのが【Dobrar Coin Quarto】です。
今回の記事では【Dobrar Coin Quarto】がどのようにできて、どんな素材をどのように仕立てているのか、どんなシチュエーションで活躍するのかを順を追って書かせて頂きます。長くなりますが最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。
最初に製品名ですが、【Dobrar Coin Quarto】(ドブラール・コイン・クアルト)はポルトガル語です。日本語で【折る コイン 四角】という意味です。パーツを折り紙のように折って、四角いフォルムなのでこんな名前をつけました。紙を使って何度も何度も試作を繰り返してサイズを割り出し、カードとコインがストレスなく出し入れできて、持っているだけでワクワクするようなものを目指しました。
革はフランス・アルラン社のやぎ革「シュリー」と姫路産の「シュリンクレザー」を使用しています。シュリーは強度があり品のあるシボ感が特徴の革です。特に気に入っているのが「色」です。ありそうでないような、かゆい所に手が届くような絶妙な色合いで製品に”品”を与えてくれます。シュリンクレザーは姫路の老舗タンナーが厳選した素材と豊かな経験で作り上げた革です。IKUMAではバッグや小物に使用しています。
【Dobrarr Coin Quarto】は3つのパーツでできています。それぞれのパーツにシュリンクレザーを「ベタばり」という技法で貼り合わせています。浅草の漉き職人に0.1ミリ単位っで薄く漉いてもらった2枚の革を部分的に曲げながら貼り合わせています。厚みが1ミリの1枚の革より、厚みが0.5ミリの2枚の革を貼り合わせたもののほうが丈夫です。革は2倍使いますがIKUMAでは伸びやゆがみがでにくいようにこのような仕様にしています。
フタを開くとコイン収納とカードポケットが2か所あります。コイン収納は間口が広がるのでストレスなく出し入れでき、カードポケットも無理のない動線にあるので使いやすい設計です。
二つ折りにしたお札もカードポケットに差し込めるので、飲みに行くときや身軽にお出かけする際にはミニウォレットとして活躍します。
ダークカラーからビビットなお色まであるので、男女を問わずお好きなお色をお選び頂けます。
化粧箱にお包みして納品いたします。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。こちらのブログでは製品の物語や仕様についてアップ予定です。
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生熊